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#11.こどもの頭の中を覗いてみよう ~運筆・図形~・・・2022年5月21日配信から最新情報まとめ

#11.こどもの頭の中を覗いてみよう ~運筆・図形~
ご感想: 運筆の具体的な学習方法が参考になりました。

小学校受験のリアルをお届け!ポッドキャスト番組「お受験相談 咲良カフェ」

2022年よりお届けしているポッドキャスト番組「お受験相談 咲良カフェ」の内容をもとに、内容をアップデートしてこれからブログにまとめて掲載していきます。小学校受験を考えているご家庭の皆さまに、役立つ情報をお届けできればと思っています。

【運筆と図形】「書くって楽しい!」からはじまる、小学校お受験の第一歩

進級や入園・入学から、お子さまたちもようやく新しい環境に慣れてきて、GWが過ぎると少し後戻りしながらも小学校では学校生活が本格的になってきます。この5月ごろから、小学校受験の世界では「学校説明会」が本格的に始まる季節でもあります。

コロナ禍の説明会の主流はすっかりオンラインになりましたが、またリアルの説明会も開催が多くなってきました。動画やスライドで学校の様子が紹介される機会も増えています。「情報は早めにキャッチ!」が大切。年長さんの親御さんのみの参加に限定されていることもありますが、気になる学校があれば、早め早めに申し込みをしておくことをおすすめしています。

さて今回は、最近ご相談が増えてきた「運筆」と「図形」について、私の視点からお話してみたいと思います。

「運筆」ってなに? 〜まずは“書くことが楽しい!”を育てて〜

「運筆(うんぴつ)」とは、鉛筆やクレヨンを使って線や形を書く力のことを指します。筆を運ぶ、と書いて「運筆」。まっすぐな線やギザギザ、ぐるぐる丸など、フリーハンドで描く力の基礎ですね。

これはただの“書く練習”ではありません。

筆圧をコントロールする力

手首や指先の細かな動き

集中して最後まで取り組む力

こうした「学びの土台」を育ててくれる、とても大切な力なんです。

そして何より大事なのは、「書くって楽しい!」という気持ちを育てること。最初は太めで握りやすいクレヨンで、思いっきり自由に描かせてあげましょう。楽しさの中から自然と“描く力”が育っていきます。

図形の理解は、ステップを踏んで育てる

図形の問題でよく登場するのが「点図形」です。点と点を順に結んで形を描いたり、その形を反転・回転させたり…。大人からすると簡単に思えるかもしれませんが、子どもにとってはなかなかハイレベルな思考が求められます。

たとえば:

点をたどって見本どおりの形を書く

その形が左右反転するとどうなるかを描く

できあがった形が何に見えるかを想像する

これらはすべて、「空間認識力」「集中力」「観察力」を養う絶好のチャンスでもあります。

おうちでできる!運筆・図形の楽しい取り組み方

ご家庭で取り組むときのコツは、とにかく「楽しさ」と「達成感」を大事にすること。

最初は点が大きく、数も少ない点図形からスタートしましょう。そしてできあがった形を見て、「わあ、ネコちゃんができたね!」なんて声をかけてあげると、お子さまの表情がパッと明るくなります。

そこから、「何色にぬろうか?」「どこに住んでるネコちゃんかな?」と物語を広げていくと、お勉強の枠を超えて、どんどん創造力も膨らんでいきます。

これが、小学校受験の勉強の一番素敵なところ。「やらされる勉強」ではなく、「一緒に楽しむ体験」こそが、お子さまの学びをぐんぐん伸ばす鍵なんです。

試験の中でも“最後の試練”として出されることも

実はこの運筆・図形の問題、試験では最後の方に出されることがあります。

試験の終盤は、子どもたちにとっても集中力が途切れやすい時間帯。そのタイミングで「細かく丁寧に書く」「反転図形を読み取る」といった問題に取り組むことは、子どもの“粘り強さ”や“最後までやり抜く力”を見られているのだと私は感じています。
難易度の高いもの、最後まで到底書き終えらえなさそうなものなどもありますが、ポイントは諦めないでいられるかです。

だからこそ、おうちでも少しずつ集中を保つ練習ができるといいですね。1日5分でも大丈夫。大切なのは、「今日も最後までがんばれたね!」と褒めてあげることです。

成長のサインは、丸がきれいに描けるようになったとき

お子さまの成長が見える瞬間。それは「上手に丸が描けるようになったとき」だと私は思っています。

フリーハンドで丸を描くって、実はとても難しい。でもその丸が描けるようになって、おうちや動物の絵が描けるようになると…もうそこには立派な成長の証が詰まっています。

「前は点と点を結ぶのも嫌がってたのに、今は楽しそうに色まで塗ってる!」

そんな変化を見つけたら、ぜひ思いっきり肯定してあげてくださいね。お子さまは、自分の成長に気づいてもらえることで、さらに意欲を高めていきます。

最後に:

「運筆」と「図形」。これらは、ただの“技術”ではなく、感覚や気づき、想像力といった幅広い力を育ててくれる大切な分野です。

お勉強というよりは、親子で一緒に“描いて遊ぶ”“形を楽しむ”時間をつくるイメージで、気軽に取り入れてみてください。

そして、もしご不安なことや、お子さまの様子に「これでいいのかな?」「どうもうまく進まないな」と思うことがあれば、どうぞお気軽にご相談くださいね。原因解明も楽しいものです。

今週も皆さんの心のサクラが咲きますように。

参考:ポッドキャスト番組「小学校お受験相談咲良カフェ」011.こどもの頭の中を覗いてみよう~運筆・図形~ 2022年5月21日配信